熊本の住宅の壁は、大きく分けてモルタル壁と、サイディング壁に分類されます が、モルタル壁とサイディング壁とでは、 全く異なる素材と工法で出来てますので、 そのひび割れも違う物となります。
モルタル壁って?
まず、モルタル壁の構造は、左の 図の様に一二ミリ程度の板の上にフェ ルト等の防水 紙を貼り、そ の上にラス (金網)を貼 り、砂とセメ ントを調合し たモルタルを 塗って仕上げ ます。
このモルタル 壁は、性質上乾燥収縮によ るヒビが入りやすくこれを完全に防止することは、出 来ません。
ひび割れの原因 構造的な原因には、地盤の沈下や基礎軸組の変形などがあります。 ひび割れが続く場合は、根本的な処置が必要です。 窓やドアなど開口部の四隅に発生するひび割れなどは、モルタルの収縮によものです。これは、しばらくすると安定します。 壁に細かなクモの巣状のひび割れ(ヘ ヤークラック)は、施工時のモルタル の調合不足・塗り厚不足・下地板の反りなどが考えられます。 また、地震や道路沿いの車の振動などでひび割れが発生することがあります。 危険なひび割れ モルタルのひび割れは、劣化の程度 により
①モルタルの表面
②モルタル層間の現象
③下地構造体を伴う現象
①のモルタル表面だけの劣化による(ヘヤ ークラック)等は、そこまで心配ないの ですが、それ以上のひび割れ、特に今回 発生した熊本地震によるひび割れに関しましては、多くのもので下地構造体を伴うものが多く見受けられましたので、速めの処理が必要です。
ひび割れの改修方法
一般的にモルタルの改修工法は、シー リング工法・Uカット工法・エポキシ樹 脂注入工法など、様々な工法提案が示されますが、その選定にあたっては、ひび 割れに至ったメカニズムを解明し、その ひび割れごとに適正な改修工法を採用する必要があります。
シーリングについて
シーリング材(コーキング材ともいう) には、その用途により多くの種類があり ます。 DIYで修理される場合は、変成シリコ ンか、ウレタンを使うと良いでしょう。 シリコンシーリングは、価格が安く防水 性は良いのですが塗料をはじくため使用 を避けましょう。 詳しくなりますが、シーリング材には通常『可塑剤』が含まれています。 そして、その可塑剤により塗料を変質させ、汚染や変色を引き起こすことがあり、 これを『ブリード』と言います。 出来ればそのブリードを生じないノンブ リード型のシーリングを使用することが 望ましいと思います。 いずれの場合も、ひび割れ部分の清掃と 接着性を良くするため プライマーを忘れずに 使いましょう。